とある講師の冒険譚

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【悲報】日本の領海が縮小か?ー「国境離島」の未確認問題ー

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先日の『読売新聞』(2020.5.25)朝刊の1面に気になる記事があった。日本の領海や排他的経済水域(EEZ)の範囲の基点となる「国境離島」の中に存在が確認できない島が複数あるというものだ。

そのうち 鹿児島県南さつま市沖の「スズメ北小島がピックアップされていて「国境離島」に認定する根拠とした地図や海図が不正確だった可能性があるという。このままだと日本の領海が狭まる可能性が高い (~O~;)

中国や韓国、ロシアなどの国々と領土問題を抱える日本にとって、国境が不明確なままであることは看過できない事態です! 今回はこの「国境離島」の未確認問題 について書いていきたいと思う。

 

 

「国境離島」とは?

「領海」や「排他的経済水域(EEZ)」は新聞やニュースなどで見聞きしたことがある方は多いのではないでしょうか? けれども「どういったものなのか」を説明するとなると難しいという方も多いことでしょう。

まず最初にこれらの用語を簡単に解説していきます。すでにほとんどの方は中学校の社会科で学習しているはずなのですが、覚えていない方が多いのが現実ですね (^o^;)

 

日本の領域(領土・領空・領海)

国家の3要素(主権・国民・領域)

領域」の話に入る前に、日本やアメリカ、中国などの国が「国家」として認められる定義をお話しておきます。その定義には3つの要素があります。それが「主権」「国民」「領域」です。

  • 主権国内の政治に対して外国から支配を受けずに独立を保つこと国内の政治を最終的に自国で決定する権利のこと。独立国家にはこの主権が欠かせません。

  • 国民:基本的には主権がおよぶ範囲に住む人々のことですが、正確にはその範囲に「国籍」を所有する人々のことを指します。

  • 領域主権がおよぶ場所のこと。地域であれば「領土」、空域であれば「領空」、海域であれば「領海」と呼ばれます。

 この3要素がそろってはじめて「国家」として国際的に認められるわけなんです!

ちなみに世界の「国家」の数は196か国あります。そのうち国際連合に加盟している「国家」は193か国です(2020年5月31日時点)。

さらに詳しく知りたい方は外務省ホームページを参照してください。

www.mofa.go.jp

 

主権がおよぶ場所はどこまでか?

ここでは主権がおよぶ場所「領域」について詳述していきます。「領域」には「領土」「領海」「領空」があります。

  • 領土主権がおよぶ陸地部分。日本やイギリスのように領土が海に囲まれている国を「 海洋国(島国)」と呼び、スイスやモンゴルのように領土が周辺国家に囲まれている国を「内陸国」と呼びます。
  • 領海主権がおよぶ海域領土の沿岸から約12海里(=約22㎞)までの海が「領海」として認められています。
  • 領空領土と領海の上空部分を指し、範囲は大気圏内までとなります。

 

ちなみに、沿岸から200海里(約370km)までの水域(つまり12海里〜200海里の水域)のことを「経済水域」あるいは「排他的経済水域」と言います。

経済水域内にある漁業資源や鉱物資源は沿岸国に権利があります。「経済水域」は「領海」と異なり他国と重なることもあります。1982年に国連海洋法条約で沿岸の海岸線から200海里までが「(排他的)経済水域  」と定められました。

英語では「(排他的)経済水域  」のことを「 xclusive conomic Zone 」というので、 略称で「 EEZ 」という場合もあります。

 

経済水域の外側はどの国の領海や経済水域にも属さないため「公海」と呼ばれています。「公海」ではどの国でも平等に航行することができます(公海自由の原則)。

 

日本の領域(領土・領海・領空)はどこまでか?

日本の東端は「 南鳥島(東京都)」、西端は「 与那国島(沖縄県)」、南端は「 沖ノ鳥島(東京都)」、北端は「 択捉島(北海道)」であり、領土の総面積(国土面積)は約38万平方㎞領海+経済水域は約447万平方㎞となっています。

日本は領土に対して領海や経済水域が10倍以上を占める「海洋国家」と言えるでしょう。そのため日本の領海や経済水域内の水産資源鉱産資源をねらっている国々との領土問題があることは知っていますよね?

例えば、ロシア連邦との間で「北方領土(歯舞群島・国後島・色丹島・択捉島)韓国との間で「竹島中国・台湾との間で「尖閣諸島の帰属をめぐる問題があることをご存知の方も多いのではないでしょうか?

これ以上は今回の本題からそれてしまうので、詳細は以下に詳しいのでそちらを参照してください。

www.pref.saitama.lg.jp

www1.kaiho.mlit.go.jp

 

「国境離島」の認定

海洋国家である日本には500近くに及ぶ「国境離島」(領海や経済水域の範囲の基点となる島々)が存在する。これらの島々は海洋資源の確保に重要な役割を果たしているため、日本政府は2007年に定めた海洋基本法などの関連法で「国境離島」の保全を決めた。

それを受けて、政府は2017年までに全国60の有人離島424の無人離島(尖閣諸島などを含む)について「国境離島」としての名称付与や国有財産化の認定手続きを行ってきた。

2009年に策定された「海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に関する基本方針」に基づき、2014年には158の無人島に名称が付与された

その中に含まれるのが、2019年に消失が確認された「エサンベ鼻北小島今回存在が確認できなかった「スズメ北小島である。

 

 

「国境離島」の未確認問題

「国境離島」の実態把握のため2017年以降に現地調査や衛星写真などで詳しく調べていく中で、存在が確認できない島があることが判明していった。政府は「確認中」としているが、そのうち「エサンベ鼻北小島」と「スズメ北小島」について紹介します。

 

エサンベ鼻北小島

「エサンベ鼻北小島」は北海道猿払村の沖合約500mにあった無人島である。1987年の測量では平均海面から1.4mの高さがあり、この測量に基づいて海図や国土地理院の地図に記載された。

ところが2018年10月上旬に地元住民から「見当たらなくなっている」と海上保安庁に情報が寄せられた。そのため2019年5月20日から24日にかけて目視や水中音波探知機などを使った現地調査が行われた。

9月24日に海上保安庁は調査の結果「エサンベ鼻北小島は消失し、非常に水深の浅い浅瀬が存在する」と発表した。

 

 

スズメ北小島

「スズメ北小島」は鹿児島県南さつま市宇治群島雀島の600m北方にあるとされた無人島である。1985年に海上保安庁の発行する海図に記載され、その海図を基に2014年には国土地理院の地図に記載された。

ところが地図に示された位置には島は無く、昔からこの海域を知る漁師は「(地図の位置に)島などない」「なぜこんな島が地図に書かれているのか」とその存在を否定した。

地図には、雀島とスズメ北小島の間に小さな島が書かれ、地元では「スズメのかぶり」と呼ばれる岩礁がある。海上保安庁の担当者は『読売新聞』の取材に対し「この岩礁がスズメ北小島として書かれた可能性がある」と述べ、岩礁より北に書かれた理由については「船の安全のため昔の担当者が実際の位置から変えたのかもしれない」と述べている。

もしこのまま存在が確認できなかった場合には、日本の領海が0.5平方km以上狭くなる恐れがあるそうだ。

 

 

最後に…

みなさんに「日本の領土や領海」に対して少しでも関心をもっていただければと、今回の記事はだいぶボリュームのあるものとなってしまいました (~O~;)

調べたことの羅列になってしまったことが今回の反省点ですかね (^o^;) 

ところでみなさんは政府や自治体が「日本の領土問題」に関心をもってもらうために定めた記念日をご存知でしょうか?

  • 尖閣諸島開拓の日(尖閣の日、尖閣諸島の日):1月14日
  • 北方領土の日:2月7日
  • 竹島の日:2月22日

となっています。もっと詳しく知りたい方は以下に参考文献を掲げておきますので、ご購読ください\(^o^)/

 

こちらは文庫サイズで簡単に読めてしまうので時間のない方におすすめです!

 

 

 

上記の3冊は新書サイズなので内容は濃いものとなっています。地理学や歴史学の研究をふまえた内容となっているので、深い内容を知りたい方におすすめです!